獣医学部の先生方のためのFDで、獣医学科1年生の春1学期から6年生の秋2学期まで(獣医保健看護の場合は1年生の春1学期から4年生の秋2学期まで)、全教科を各自担当の先生が内容を紹介することにしました。今週は私の当番で、2年生秋2学期の「家禽疾病学」を紹介しました。その時のスライドとZOOM紹介です(家禽FDイントロ)。

 新型コロナの第3波、隣の香川県でのH5N8高病原性鳥インフルエンザのアウトブレイクという人、家禽の感染症の拡大の中で、今治では秋2学期の授業が始まりました。約束通りにVODをアップします。mylogで見られない学生さんこちらを見てください。昨日は、フランスの家禽・家畜の無農薬有機飼料について、通訳付きの国際Zoom会議でした。

家禽FDイントロ https://www.youtube.com/watch?v=QRMUeHOP4Gc

第1回の1家禽地鶏 https://www.youtube.com/watch?v=jV8wmKaTAIE

第1回の2OIEと家禽 https://www.youtube.com/watch?v=XDtdkCNYfd8

第1回対面授業 https://www.youtube.com/watch?v=heMc2GCSfmA

第2回の1法定伝染病 https://www.youtube.com/watch?v=_NPQnkQveHg

第2回の2ウイルス感染 https://www.youtube.com/watch?v=QsYwz8AvBRg

第2回対面授業 https://www.youtube.com/watch?v=igZ3GOcai4E 

第3回の1細菌感染 https://www.youtube.com/watch?v=us5xI5BaYNQ 

第3回の2原虫他 https://www.youtube.com/watch?v=0rVrAHUPnwo

第3回対面授業 https://www.youtube.com/watch?v=o-l_kqds1YQ

第4回の1インフル基礎 https://www.youtube.com/watch?v=djbLxrReQpI

第4回の2H5N1他 https://www.youtube.com/watch?v=a6uCRj_bKaU

第4回対面授業 https://www.youtube.com/watch?v=AsDcr6mpNB8

第4回対面授業追加 https://www.youtube.com/watch?v=6LvxXv0UqzQ

第5回の1NDV https://www.youtube.com/watch?v=gryPjEyNCEA

第5回の2ひな白痢 https://www.youtube.com/watch?v=k38CukaUIU8

第5.6回仮想対面授業1 https://www.youtube.com/watch?v=Ip49y36DUnI

第6回の1マレック https://www.youtube.com/watch?v=LNv3S-N8hKg

第6回の2サルモネラ https://www.youtube.com/watch?v=_8F7pdq-Lcw

第6回の3HACCP https://www.youtube.com/watch?v=tAAW3-0xu5M

第5,6回2仮想対面MD https://www.youtube.com/watch?v=KCmMZNwyU4c

第7回の1代謝病 https://www.youtube.com/watch?v=kBrPietTBNI

第7回の2ビタミン https://www.youtube.com/watch?v=wt6sKp66mrQ

 2019年秋②家禽疾病学の講義がはじまりました。8年ぶり、北里大学時代以来の講義です。準備が遅れて、内容はそれほど変わっていません。時間を見て内容を進化させようと考えています。それでも、少しずつ手を入れ、ずいぶん整理できたと思っています。今回の講義は、1単位なので、4単位を2単位に、さらに1単位に圧縮した内容です。データの古い部分を最近のデータに変更しました。世界的な鶏肉生産量の増加が際立っていました。

1回目の講義の後に送られてきた主な質問と回答です。

鶏痘の致死率が2次感染でなければ低いとのことですが、2次感染による致死率が高い理由は鶏痘感染による免疫力低下によって他の感染症に感染しやすくなるためであって、鶏痘に直接的な死因があるわけではないのでしょうか。鶏痘は表皮で増殖し、皮膚病変(壊死や潰瘍)ができるので、皮膚から細菌感染などが起きます。重複感染による負荷や菌血症により致死率が上昇します。もちろん重複感染によりストレス負荷で免疫系機能が低下すれば、鶏痘ウイルスの増殖も加速されます。マレック病ウイルスは羽包上皮に感染するようですが、これは鶏痘皮膚型の蚊やヌカカのような媒介者が存在するのでしょうか。違います。マレック病ウイルスの成熟過程は複雑です。各論で説明します。ウイルスはT細胞で増殖しますが、感染性ウイルス粒子は羽毛上皮細胞のみで産生されます。表皮で成熟したウイルス粒子は、表皮とともに落屑して、他の鶏に経口感染すると考えられています。

授業であったニューカッスル病についてなのですが、何故人には感染しない病気であるにも関わらずOIEのリストのAに含まれているのでしょうか?確かにヒトに感染して重篤な疾病を起こすわけではありません。WHOがヒトの感染症コントロールの役割りを負っているのに対し、OIEは、家畜の感染症をコントロールする世界的な役割を負っています。人に感染しなくても、家畜の深刻な、国際的に広がる越境感染症は、アウトブレイクが起こるとヒトが食べる食料がなくなってしまうからです。食の安全の問題でなく、食の安定供給(food security)の問題です。豚コレラの場合も、家畜間での伝搬力強さ、家畜の致死率の高さから、国際的なレベルで食料供給に深刻な影響を与えるからです。豚コレラの場合もそうなのですが、何故人に感染することのない病気を発症しても殺処分しなければならないのでしょうか。家畜伝染病の蔓延をとめ、出来るだけ初期に、流行を封じ込める処置です。家畜の役割りを考えてみてください。産業動物はヒトや愛玩動物とは違う基準で飼育されているのです。

先日、消費者の代表の方が、以下の文章を書いて消費者向けに発信してくれました。

「豚コレラについて」20191024日、農林水産省消費・安全局動物衛生課は、「豚コレラについて」を発表し、特に、消費者に対し、大事なメッセージが一番初めに述べられています。

1.豚コレラは、 ブタやイノシシの病気であって、人に感染することはありません。
2.豚コレラにかかったブタの肉や内臓を食べても、人体に影響はありません。感染豚の肉が、市場に出回ることはありません。

畜産農家は、一所懸命に飼育してきたブタが豚コレラになると、殺処分をしたり、豚コレラが発生した養豚場から半径10Km以内にある養豚場は、ブタが出荷できなくなります。その中で早期発見のためにブタの観察を注意深く行い、厳しい衛生管理を続けています。

私たちの食を支えている畜産農家の人々が精神的にも経済的にも苦しい立場にある今、消費者である私達が落ち着いて行動することは畜産農家への一つのエールになるではないでしょうか。

とはいっても「人に感染しない」とはどういうことでしょう。少し不安ですね。吉川泰弘先生(岡山理科大学獣医学部長、東京大学名誉教授)にうかがったところ、「豚コレラウイルスの表面にはブタの細胞の中に入るための『鍵』のような2つの蛋白質があります。他方、ブタにはウイルスの鍵にあう鍵穴(おそらく2つの受容体)がありますが、人のとは違っているので感染しません」といわれました。人の身体の受容体の構造が豚コレラのウイルスを受けつけないようにできているそうです。

また、これからはワクチンを接種されたブタが出回ることもあるかもしれません。このことについても吉川先生は「私たちもインフルエンザワクチンをうったり、子どものときにはいろいろなワクチンを打ったりしながら育ちます。でも、ワクチンをうった私達は特別な人間にはなりません。それと同じでワクチンをうっても特別なブタになるわけではありません」といわれています。

今後、店頭に「ワクチンをうっていないブタです」など、消費者をミスリードし、畜産農家に風評被害を与えるような表示がでてくるかもしれませんが、私たちは毅然として向かいあいたいと思います。

アフリカ豚コレラについても情報発信をしてくれています。

豚コレラ、アフリカ豚コレラの呼び名が、CSFASFに代わりました

農林水産省は1114日、豚コレラはCSFclassical swine fever:古典的豚熱病)、アフリカ豚コレラはASF (African swine fever:アフリカ豚熱病)という呼び方にすることを決めました。これらの伝染病はブタやイノシシには怖い病気ですが、人に感染することはありません。コレラという呼び名に消費者が必要以上に恐れたりしないようにするため、国際的な呼び名にしたものです。人に感染しないのは、CSFのときと同じように、ASFウイルスが細胞に入り込むときに使う「鍵」にあう鍵穴(受容体)を、人間は持っていないからです。とはいっても、ひとたび、ASFが発生、拡大すると畜産業は甚大な被害を受け、世界の食肉の供給は大ピンチに陥るでしょう。

ASFはアフリカでは常在的に発生しており、ロシアやアジア(中国、ベトナム、モンゴル、北朝鮮、韓国、フィリピンなど)でも発生が確認されています。日本では、まだ発見されていませんが、いつ発生してもおかしくない状態です。
ASF
に感染したブタは41℃以上の高熱が出て、元気がなくなり食欲不振になるなどして、1週間で死んでしまいます。致死率は、ほぼ100%です。CSFと違ってダニが媒介したり、感染している豚との接触で豚が感染します。ウイルスは加工肉や冷蔵肉の中でも3-6か月間、感染性を持っているくらいなので、ASFで死んだ野生のイノシシの肉や人が食べ残した汚染生ハムなどを野生のイノシシが食べると、ASFに罹ります。そのうえ、ワクチンや治療法がありません。日本では家畜伝染病予防法で「法定伝染病」に指定されており、発症した豚や疑わしい症状の豚はすぐに届け出て殺処分を行うことが定められています。早期発見と早期の措置が非常に重要です。

CSFにワクチンがあるのに、ASFのワクチンがないのはなぜでしょうか。吉川泰弘先生はいわれます。「ASFは天然痘ウイルスに似た、極めて大きなウイルスです。イノシシやブタの体に入り込むときの鍵を10個以上持っています。CSFウイルスの鍵は2つだったので、ワクチンでふたつの鍵穴をブロックできましたが、10個以上もの鍵穴をブロックするのは大変です。 ゲノム編集技術なら10個以上の鍵穴を持たないブタをつくりだすことができるかもしれませんが、楽ではありませんし、また、沢山の鍵穴をブロックするとブタ自身に問題がでるかもしれません」とやや悲観的です。天然痘のときの種痘のような有効なワクチンが出来るといいですね。私達は新しい呼び方(CSF, ASF)に慣れて、冷静に様子を見守りたいものです。

家禽疾病のOIEに関するスライドの対象動物のところに爬虫類がありません。2016年に爬虫類も対象動物とされたと、ネットに書いてあったのですが、未更新ですか?または、ネットの情報が嘘ですか?未更新でした。指摘ありがとう。もともとOIEは家畜、家禽でしたが、食品として魚類、甲殻類、ミツバチ(昆虫)、軟体動物が入りました。その後、生物多様性の維持として絶滅危機の問題になったカエル(ツボカビ、ラナウイルス)などの両生類が入りました。さらに2016年に動物福祉対象として爬虫類が入りました。これですべての脊椎動物と無脊椎動物として甲殻類、軟体動物と昆虫が入ったことになりました。まだ増えるかもしれません。

家禽は食肉として宗教に左右されず、広範な国・地域で生産しているので、生産量が増加しているとありました。魚類も同じだと私は思います。しかし魚は生産・消費の推移がいまいち伸びていません。家禽と魚類の違いはなんだと思われますか。家禽は養鶏施設で生産されます。従って養鶏施設の規模拡大により生産量が拡大します。漁業は、現在、天然魚の捕獲と養殖による魚類の生産が、それぞれ全漁獲量のほほ半分ずつを占めています。養殖魚の生産は伸びていますが、天然魚の捕獲は乱獲により捕獲量が伸びていませんし、魚種によっては減少する傾向がみられます。従て、全体としては家禽のような増産は見られません。天然魚の資源確保は、捕獲制限基準の作成や各国の捕獲規制の合意など、国際的な問題となっています。鳥インフルエンザにはA型インフルエンザウイルスがありますが、高病原性鳥インフルエンザと低病原性鳥インフルエンザのどちらともA型インフルエンザウイルスに含まれるのでしょうか。はいそうです。鳥のインフルエンザウイルスはA型で、渡り鳥の水鳥が全ての亜型HA1~16、NA1~9を持っているので、高病原性(H5,H7を含むすべての亜型で高病原性のもの)、低病原性(H5,H7の亜型で病原性の低いもの)、その他のA亜型の鳥インフルエンザウイルスはすべてA型に入ります。ただ、最近A型でコウモリからH17N11, H18N12が見つかり、A型が複雑になってきています。

 家禽疾病学、第2回の講義スライドです。先日訪問した愛媛県養鶏研究所が開発した「媛っこ地鶏」のスライドを追加してあります(第1回の講義の復習を兼ねて)。

 

 第2回講義に関連する質問と回答です。

メッセージ: 家禽のウィルス病のところで、トリアデノウイルスIII (産卵率低下症候群(EDSV))  、レオウイルス 鶏ウイルス性腱鞘炎・関節炎(AVTS/A:ARV)  には、不活化ワクチン。それ以外には、生ワクチンとあったのですが、アデノウィルス、レオウィルスには不活化が有効なのかと思ったのですが、同じくレオウィルス科であるロタウィルスでは生ワクチンが用いられていたりします。何をもって、このウィルスの予防ワクチンは、生ワクチンまたは不活化ワクチンにすると判断するのでしょうか? どのウイルス感染症にどのタイプのワクチンを使うか?という基本的な戦略はありません。実際のワクチンは大量な規模で生産します。ウイルスの力価は対数ですが、ワクチン製造は実数です。実験室でウイルスの増殖率が2log違っても、大したことはありませんが、ワクチン規模では、原液1トン生産が100トン規模に変わります。従って、容易に増殖する病原体の場合は、不活化ワクチンから始めます。しかし、不活化ワクチンでは十分な免疫が得られないウイルスや、増殖の悪いウイルスでは生ワクチン開発を試みます。一般には宿主を変える(鶏卵など)ことにより弱毒化する(通常数百代くらい?)、細胞培養で弱毒化する、温度変異株(Tsミュータント)をとる、変異原性物質入りの培養液で培養し、変異株の中から選択する・・・などですが、根気と運が必要です。もっともゲノム解析が進んだので、組換えウイルスだけでなく、ゲノム編集など、これまでの方法とは違った手段でワクチン株が出来てくる可能性はあります。これまでにも麻疹ウイルスは不活化ワクチン(K)と生ワクチン(L)の両方を使いましたし、KK,KLLというように組み合わせてつかいました。ポリオはLワクチンが長く使われましたが、流行がほぼコントロールできたので、より安全なKワクチンに切り替えつつあります。ワクチン戦略は現実的でかつ柔軟です。型にはまったものではありません。

質問:天然痘ワクチンとして牛痘ウイルスを利用していたように、鶏痘ワクチンとしてカナリア痘ウイルスをワクチンとして利用すること、またはその逆を行うことは可能なのでしょうか?トリポックスウイルスで鶏痘はA型、カナリア痘はB型でかなり違っています。鶏痘ウイルスワクチン(fowlpoxpigeon pox由来)に関しては、すでに有用な弱毒生ワクチンがあるので、これから、カナリア痘ウイルスを鶏痘用に新規に開発することはないと思います。しかし、ゲノム解析の結果、現行のワクチン株にも一部の野生株にもREV(鶏のレトロウイルス:reticuloendotheliosis virus)の遺伝子の一部が組み込まれていて、病原性に関係している可能性があるので、REV遺伝子を組換え手法で欠損させた、新しい鶏痘ワクチンの開発が進行中です。また、鶏痘ワクチンをカナリアに利用することはないと思います。その理由は、養鶏と違い、もし、鶏痘ウイルスをカナリアに順化して、いいワクチンが出来ても、商業規模からカナリアの市場で使用されることは少ないはずです。多額の開発費をかけてカナリア用に順化しても、元が取れなければ、企業は開発しません。

質問:家禽コレラにおける感受性がレイヤーよりもブロイラーの方が高いのは、鶏の種類の問題なのでしょうか?それとも飼育環境の問題なのでしょうか?両方関係しているように思いますが、詳細な実験的研究はないのではないかと思います。

質問:産卵率低下症候群の予防方法に投与回数が少なくて済む生ワクチンではなく、複数回投与が必要である不活化ワクチンが採用されるのは、ウイルスが強いため弱毒化されたとしても産卵率低下の症状が出てしまうからでしょうか?ワクチン株を発育鶏卵あるいは発育アヒル卵で大量培養し、尿膜腔液を不活化したワクチンです。発育卵で大量にウイルスが取れるので、安全な不活化ワクチンとしているのだと思います。オイルアジュバントの時は6090日齢に1回打つだけす。アルミニウムアジュバントでは6080日齢と120140日齢に2回接種します。

 家禽疾病学第3回講義のスライドです。主な細菌感染症、原虫感染症を取り上げました。寄生虫(蠕虫)感染症や、食中毒に関連する細菌感染症については、別途、講義します。

 第3回講義への質問と回答です。

伝染性コリーザの予防にA型とC型の2価ワクチンが有効とのことですが、B型のワクチンは開発されていないのでしょうか?開発されているのであれば、有効でないのは今まで流行していないからなのでしょうか?伝染性コリーザはHI抗体による血清型からA,B,Cの3型がありますが、これまでの流行株はA型とC型のみなので、B型のワクチンは開発されていないようです。別の分類では、1型と2型があり、1型がA型、2型がC型になっています。

質問:鶏ロイコチトゾーン病に対しては鶏卵への薬剤の移行・残留が起こるため、産卵鶏に薬剤予防を行うことは出来ないとのことですが、使用した場合サリドマイドのような催奇形性が起きるのでしょうか?催奇形性はないようですが、アンプロリウム服用の副作用としては、倦怠感、目まい、高血圧や頭痛の副作用が現れると記載されています。また、アンプロリウム・エトパベートの長期使用ではチアミン欠乏に伴う多発性神経炎(poly neuritis)が起こるようです。

https://www.slideshare.net/ossamamotawae/amprolium-ethopabate-product-information

鶏には複数の種類の動物に寄生する原虫だけでなく、鶏ロイコチトゾーン病や鶏コクシジウム病のように鳥全般ではなく「鶏」にのみ寄生する特異性があるとしか思えない原虫もいますが、これは鶏のDNAなどの遺伝子上の問題や生活環の問題なのでしょうか?そうではありません、説明不足でした。ロイコチトゾーンには少なくとも70種くらいの多様性があります。その中で、L.カウレリーは、鶏に強い病原性を持ち養鶏上問題になっているのです。コクシジウムも、同様です。真コクシジウム目、アイメリア亜目でも2500種あります。アイメリア科、アイメリア属でも、鳥類の他、哺乳類のネコ、イヌ、ウサギ、ウシ、山羊、羊・・・にそれぞれの種が寄生します。鳥類のコクシジウムでも、Eimeria acervulina(ニワトリ)、Eimeria brunetti (ニワトリ)、Eimeria maxima (ニワトリ)、Eimeria meleagridis (シチメンチョウ)、Eimeria mitis (ニワトリ)、Eimeria necatrix(ニワトリ)、Eimeria praecox (ニワトリ)、Eimeria tenella(ニワトリ)のように、住み分けています。ちなみにこの並び順はアルファベット順で、鶏の感受性や鶏への病原性などでの並び順ではありません。野鳥で調べれば、新しいコクシジウムが取れるかもしれませんね。「現代生物進化」や「人獣共通感染症」で学んだように、我々の理解している病原体は、全体の中の特殊解ともいうべき事例です。簡単には一般化できません。発想を変える必要があります。面白いですね。

クロストリジウム属の細菌毒素ウェルシュ菌の毒素について、家禽疾病学のスライドをみながらABCDE型をまとめてαβει毒素と見ていたのです。β毒素の説明として、壊死性腸炎の際の毒素とあったので「じゃあ壊死性腸炎といえば、β毒素を含むB型とC型ってことか。」とノートにまとめてたのですがスライドを続けて見ていくと「鶏壊死性腸炎はA型、C型の経口感染」とあり、「あれ?B型じゃないの?」となりました。ネットで調べていくとβ毒素はウェルシュ菌C型によって産生されるが、これらの大部分はβ毒素を産生しないウェルシュ菌A型によって引き起こされる。とあったので、C型はそもそもA型由来ってことなのかなと思いました。しかし「じゃあB型なんなんだよ」との疑問が残り、他の食中毒のサイトをみたところB型の例として子羊赤痢、子牛とニワトリと羊の出血性腸炎、豚の壊死性腸炎とあり鶏は「出血性腸炎」とあったのでスライドの【鶏】「壊死性腸炎」には該当しない
という点でカットされている。という理解で大丈夫ですか?宿主や病巣、病態により菌の型を決めてきたようです。その後の毒素遺伝子の解析、作用機序から毒素を決め、組み合わせたので、確かにわかりにくいです。細菌ゲノムや毒素遺伝子のカテゴリーから再分類される可能性があるかもしれません。

もう少し、ウェルシュ菌毒素:調べてみました。

 

菌型と毒素

α

(ホスホ

リパーセC)

組織壊死

細胞膜破壊

ガス壊疽

β

壊死性腸炎

皮膚壊死活性

ε

腸性毒血症

牛、羊、山羊

神経毒でもある

痙攣、脳浮腫

ι

子牛、子豚、ウサギ腸炎

(ADPリボシル化酵素)

2成分毒素

A型

ヒト、

動物の腸内

〇〇〇〇〇

5%は、エンテロトキシン産生

食中毒(ヒト)

 

 

 

B型 仔羊赤痢

まれに仔馬

〇〇〇

 

C型 

ブタ、羊、山羊

馬、ヒト

鶏(ブロイラー)

 

〇〇〇〇〇

 

 

D型

 

〇〇〇〇〇

 

E型

〇〇

 

 

〇〇〇〇〇

 

Clostridium perfringensは、主要な4種の毒素の産生パターンと疾病および宿主の違いで、5型に分類されてきた(最近、菌型の分類を変える案が提唱されているA~H?)

. Perfringensは、12種類の毒素を産生する。

そのうち主要毒素は4種類(α、β、γ、ι)

(α) アルファー毒素は、ガス壊疽の際の毒素で組織破壊作用。肺から吸引した場合、致命 的な肺の障害を起こす恐れがある(テロ)。 ホスホリパーゼC(細胞膜破壊)

(β) ベータ毒素は、壊死性腸炎の際の毒素で組織破壊作用。

 (ε) イプシロン毒素は、動物実験で神経毒性が見つかっている。

 (ι) イオタ毒素は細胞毒性

マイナー毒素として以下の8種類で合計12種類

γδηθ(溶血素)、κ(コラゲナーゼ)、μ(ヒアルニダーゼ)、λ(プロテアーゼ)、νDNase

この4種類の毒素を産生する菌は5型(A,B,C,D,E)

A型がα、B型・C型がβ、εはD型、ιがE型

 ウェルシュ菌の毒素を調べてくれてありがとう。主要毒素4種、菌型5つの組み合わせでは、単純にはいかないですね。詳しく分類すると毒素が12種類以上あるようです。作用機序:核酸分解、蛋白分解、脂質分解、糖分解毒素・・・病巣:腸毒性、壊死毒、細胞融解、毒血症、神経毒・・・・対象動物:偶蹄類、馬、鳥、ヒト・・・・細かくなるほどわかりにくくなりますし、文献により書き方が違っています。

新しい分類案も出ているようです。問題は?何故、C.perfringensは、これほど多種類の毒素を産生するのか?まるで多剤耐性菌の遺伝子のようです。多毒産生菌(multi-toxin producer; MTP)という特性から見ると、他の毒素産生菌との関連で面白いかもしれません。細菌毒素の進化論?

 講義第4回のスライドです。今回は、OIEのリストA感染症で、家畜伝染病予防法の法定伝染病である、高病原性鳥インフルエンザに関するものです。

 

 重要な点を見落としていました。高病原性鳥インフルエンザが養鶏場で発生した時、どの様な対応が求められ、どのような措置が取られるのかを説明するスライドが抜けていました。講義では触れられなかったので追加しました。個々の対応は家畜伝染病予防法の法律と特定家畜伝染病防疫指針により、書かれています。詳しくは、3年生の獣医法規で触れます。

 

HPAIH5N1型は2005年に中国において渡り鳥であるインドガンの大量死が発生とのことですが、インドガンに戻ったウイルスが高病原性であったのであれば、渡り鳥であるにもかかわらずあまりにも発症が局地的すぎているのではないかと思うのですが、この要因は何と考えられるのでしょうか?実際は、2004年、タイやベトナムなどアジアの国々において鳥におけるH5N1の集団発生が見られました。中国本土の家禽においては、50件のHPA IH5N1)感染が報告され、その後も継続的に発生していました。また、2004年から2005年にかけて家禽の集団発生(H5N1)が確認された国は韓国、ベトナム、日本、タイ、カンボジア、ラオス、インドネシア、中国、マレーシアの9カ国というアジア諸国で広大な広がりを示しました。20055月~6月に青海湖(北緯37度、東経100度)で死んだ野鳥は、多くを占めたインドガンの他に、カワウ、オオズグロカモメ、チャガシラカモメ、アカツクシガモ、キンクロハジロなどが報告されています。青海湖は渡り鳥の中継地であり、種によっては繁殖地です。164種の野生鳥類が10万羽以上生息しています。インドガンはインド北部などで越冬して、春の訪れとともにシベリアのバイカル湖を目指して渡りを始めます。その飛行経路の中継地に中国の青海湖、モンゴルのウブス湖があります。それまでのH5N1ウイルスのクレードは1.02002年~2003年)でしたが、この時(20055月)分離されたウイルスはクレード2.2で、直前に(20051月~3月)マガモやヨシガモがいる中国の江西省鄱陽湖(北緯29度、東経116度)でクレード2.2が検出されています。西寄りで北に帰る渡り鳥と東側から北に帰る渡り鳥が青海湖で出会った可能性や、近隣の家禽から感染した可能性が挙げられています。インドでのH5N1の流行は2006年からなので、インドガンは、青海湖で巻き込まれた可能性もあります。2005年から2006年にかけて、H5N1ウイルスのクレード2.2は、中近東からヨーロッパを巻き込み、さらにアフリカへと広がりました。詳細な報告はhttps://www.jstage.jst.go.jp/article/jve/15/1/15_1_45/_pdfにあります。

H5N1型ウイルスが鳥から人間へ直接感染したとのことですが、「鳥鳥」のように戻ったケースはあるのでしょうか?H5N1は、鳥からヒトに感染しますが、感染した鳥の数と、暴露した可能性のある人の数(感染した家禽の処理にあたったヒトなど)、そして感染・発症した人の数を比較すれば、容易に鳥からヒトに来るわけではありません。きわめて稀です。またヒト-ヒト感染も起こらないわけではありませんが、稀です。ヒトでの感染は稀で、またヒトでのウイルス価はそれほど高くないでしょう。従って、ヒトから鳥に戻る可能性はほとんどないと思います。また、そうした報告はないようです。
H5N1
型ウイルスの鳥用ワクチンを人間や他動物(ヒョウやトラ)などに使用した場合、ワクチン効果があるのでしょうか?あると思います。ただ、鳥の間で流行しているH5N1亜型のクレードは、絶えず変化しているので、古いクレードのH5N1ワクチン株では効きにくい可能性はあります。

インフルエンザウイルスの再集合によってHNだけで256通りの新しい亜型のウイルスになりますが、人間社会でよく聞くのはインフルエンザA型とB型の2種類です。これはA型及びB型にHNの組み合わせの型が多数あり(違います:後の説明)、それが全てA型もしくはB型と判定されるということでしょうか?(違います)予防接種は、A亜型では様々なHNの組み合わせのウイルスに対応出来ているということでしょうか?(そうです。北大で全ての組み合わせのワクチン株を作っています)。ただし、同じHNの組み合わせでも、クレードが違うと、抗体で中和できなくなり、ワクチンとして無効になります。回答:インフルエンザウイルスにはA,B,C3型があります。主に核(コア)蛋白の抗原性の違いに応じてA,B,Cの型が、A型では膜(糖)蛋白であるHNの抗原性の違いによって亜型が分類されます。A型とB型のウイルスの表面には赤血球凝集素(H, HA)とノイラミニダーゼ(N, NA)の2種類の糖蛋白が存在しています。A型では、さらにHAには15種類、NAには9種類の抗原性の異なる亜型が存在しています。しかし、B型やC型には亜型は認められません。B型もHAとNAを持っていますが、A型のように多様性に富んでいないため、A型のみがHAとNAで分類をした亜型で示されます。また、C型はHAもNAも持っておらず、両方の役割を果たすHE(ヘマグルチニンエステラーゼ)の種類で分類されています。しかし、C型は流行規模が小さいこと、病原性が弱くあまり問題視されません。ヒトでは、実際にはA型とB型だけが問題となり、A型ではHNの組み合わせの多様性が問題となっているのです。

 第5回は、法定伝染病の「ニューカッスル病(ND)」と「家禽サルモネラ症」に纏められている「ひな白痢(S. Pullorum)」、「家禽チフス(S. Gallinarum)」の3つの家禽伝染病について講義します。スライドの枚数が多いですが、出来るだけ興味を持てるようにアレンジしてみました。現在、これらの感染症は、日本では統御できていますが、最近の国際畜水産品の流通の拡大状況から、こうした感染症の侵入が危惧されます。また、野鳥の関与も警戒しておく必要があります。

 第6回は、国内外における鶏の重要な感染症であるマレック病を取り上げました。特にブロイラー(肉養鶏)では、食鳥処理場検査で発見され一部廃棄、全部廃棄になる感染症です。鶏αーヘルペスウイルスが原因ですが、T細胞腫瘍や自己免疫疾患のような不思議な病態を示しめします。また、増殖様式も独特です。鶏白血病との比較でも、その違いが興味深く試験にはよく出ます。また、家禽の日和見感染症に近いのに、鶏肉や鶏卵などを通して食中毒の原因となる、カンピロバクター、サルモネラ、ブドウ球菌について解説しました。

マレック病に関する面白い質問がありました(上図)。
質問:ワクチン統御後のマレック病の推移に関してですが、1980年代後半(1985年)から急激に減少して以来(何故?)、1996年~1997年のみ再び3万越えの高水準となってしまったのは何か理由があるのでしょうか?考察として1995(平成7)1月に発生した震災の影響による、ワクチンの遅れや出荷・生産量を維持するための輸入によって結果的に感染拡大したと考えられるのですがいかがでしょうか?面白い考察です。原因を調べてみました。

マレック病、食鳥処理場における1996年、1997年の廃鶏数の上昇の原因は?

HPAI(高病原性鳥インフルエンザ)侵入による養鶏会の混乱は、2004年からなのではずれ

関西の震災地域でMDの多発があったこと、それが全国的な統計に影響したというデータはありません。はずれ。

1978年頃からHVTワクチンが接種されているにも拘わらず、MDが世界各地の養鶏地帯で、再び認められるようになった。原因は、それまで流行していた野外ウイルス(強毒MDV)に代わってHVTワクチンの効果の及ばない超強毒MDVvvMDVが流行したためであることが証明された(1982年)vvMDVに有効なワクチンがオランダ日本1985年)、米国などで開発・実用化されるとMDの発生は再び沈静化された。1985年以前のMDによる廃鶏の高さはvvMDVによる。以後は新ワクチンが有効なので、はずれ。

最近のWitterの報告( Avian Disease Vol.41 No.1, 1997, 149163 )では、米国で 19871995年の間に分離された 31株のMD野外株の病原性を比較したところ、MDVの病原性は年代の進行と共に増強している傾向があり、最近の分離株はこれまでに分離されたvvMDVよりもさらに病原性が強まった株、vvプラスMDVvvMDV)という新しいMDVが流行している。時系列的には日本にもvv+MDVが侵入した可能性はありますが?証明はされていません。その後、2000年代に入ると卵内接種ワクチンが登場し、MDVの早期感染に対する有効性が増加した。ワクチン開発(vv+MDV用ワクチン、米国)だけではなく、育種会社ではMDV抵抗性の鶏種の開発、養鶏場では衛生管理の整備(オールイン、オールアウトなど)によりウイルス感染の機会を減らすための改善が進んだ。と記載がありました。

 

 いよいよ第7回の講義です。家禽疾病学の本格的な講義は7回で最後です。8回目は面白かった質問の回答。7回目の講義のミニテストと解説。そして期末試験です。頑張ってください。7枚目の講義スライドです。第7回はこれまで違い、非感染性の疾病です。臓器別疾患、代謝病、中毒をまとめて紹介します。

 

 ビタミンは日常的な用語です。しかし、改めて考えてみると、ビタミンは機能についてはよく解説されていますが、実際にどのような物質か?あまり考えてみませんでした。

 今回、家禽の欠乏症をまとめるにあたって、問題となるビタミンの構造式を見てみました。当然、各ビタミンにより構造は異なりますが、ベンゼン環(6炭環、芳香族炭化水素)やピリミジン、チアゾールなどと短鎖脂肪、アルコールなどが付いたもの、ステロールが開環したものでした。何故か、なんとなく金属イオンをいれたヘムや錯体を想像していました。認識を改めました。

 

第7回講義への質問です。質問:牛肉における霜降り肉の生産にはビタミンAの意図的な欠之がありますが、鶏においてもビタミンAを欠如させた場合は筋肉内にサシが入るのでしょうか?単純には起こらないと思います。和牛でビタミンA欠乏によりサシを入れる際に影響するのが第1胃です。第1胃は、料中の炭水化物やセルロースを胃内微生物(細菌や原虫)によって揮発性脂肪酸や他の有機酸に分解し、それを自分の栄養に利用しています。これらの第1胃で産生される「酸」がいわゆる「サシの素?エネルギー源」と考えられています。濃厚飼料で肥育した牛は、脂肪細胞に脂肪を過剰に蓄積させる状態になります。ビタミンAは脂肪細胞が脂肪を蓄積するのを促進します。A欠乏で脂肪細胞の分化が阻害され、脂肪細胞での脂肪蓄積が阻害され、血管周囲に脂肪が散る状況(サシが入る)になります。他方、ビタミンAの欠乏は胃粘膜機能を低下させるので、過度のビタミンA欠乏は、種々の機能障害を誘発し、サシを入れる以上の弊害を起こすので、ウシでも体調維持のための調整が必要です。鶏には筋胃はありますが、反芻動物の様な第1胃を持たないので、和牛(サシの入りやすい遺伝的な選抜も行われた)とは状況が違うと思います。

質問:乳児期の一過性潜在性ビタミンD欠乏症が将来の1型糖尿病の発症リスクを3倍に上昇させる研究があるとのことですが、鶏も同様に幼雛がくる病を発症した場合、卵用の成鶏でI型糖尿病を発症する確率が高くなるのでしょうか?ビタミンD欠乏とくる病の関係は明らかですが、I型糖尿病は自己免疫疾患で遺伝的影響が大きい疾患です。くる病との因果関係がどの程度かわかりません。くる病はカルシウムやリンの代謝と広く関係するので、統計的にはI型糖尿や他の疾患の誘因となることはあり得るかもしれません。しかし、家禽は産業動物です。幼雛でくる病発症した雛を育てることはありません。傾向はあるかも?しれませんが、間引かれてしまって、ヒトのような追跡データは得られないと思います。

趾蹠皮膚炎が動物福祉の指標に使用されるという事なのですが、どのタイミングで動物福祉に沿っているかを判断するのですか。また、状態がひどいと判断した場合、その鶏を飼育している人はどのような処置を受けるのか教えていただきたいです。家畜や家禽の動物福祉に関しては、OIEEUが先導的に進めているようです。EUの動物福祉評価法方法は、EU18億円の予算をかけて研究開発した生産農家評価法livestock welfare quality project(家畜福祉品質計画)があります。具体的に評価は、1時間/鶏群(調査員1名の時)、調査方法は、聞き取り(飼育管理法など)、鶏観察(歩行状態、パンティング(体温調節用に促迫呼吸をする)の有無、屠体観察(胸、足蹠皮膚炎の有無など)です。実際には、まだ法制化はされていないようです。従って罰則規定はないと思います。あくまで農家の衛生管理指導のレベルではないでしょうか?法的には、「動物福祉法は動物福祉を促進するために必要な包括的な措置を定めた法律。米国(1966年)や英国(2002年)などで法律として存在する。このほか、狭義の意味での動物福祉を求める法律を運用している国も多数存在する。日本では、動物虐待を禁じる動物愛護法などが該当する。しかし、日本では、動物愛護法の下、ペットへの配慮は進んでいるが、家畜については愛護の名称があることもあり、理解が進まず、名称の変更や、新たな法制度を求める声もある」ということで、日本では家畜・家禽の動物福祉法は、まだ検討段階です。

 

 

家禽疾病1回講義、ミニテスト回答と解説

1、   家禽は、肉、羽毛、卵などを利用するために飼育する鳥の総称です。家禽化されたガチョウの野

生種はどれか?

1, セキショクヤケイ

2, サカツラガン

3, マガモ

4, キンケイ

5, コブハクチョウ

セキショクヤケイは鶏、サカツラガンはガチョウ、マガモはアヒルの野生種が、それぞれ家禽化されたものです。キンケイとコブハクショウは、野生種そのままです。

2、鶏の品種の中でレイヤー(産卵鶏)として有名なものは?

1,  コーニッシュ

2,  ロードアイランドレッド

3,  名古屋コーチン

4,  白色レグホーン

5,  プリマスロック

コーニッシュ、ロードアイランドレッド、名古屋コーチン、プリマスロックはいずれも肉用鶏です。産卵鶏は白色レグホーンです。

3地鶏の雛は在来種の血液百分率(%)が何%以上でなければならないか?

1, 10%

2, 33%

3, 50%

4, 67%

5, 90%

地鶏の血液百分比は両親ともに在来種(100%)か、少なくとも片親が在来種(50%以上)が求められる。

4、OIE1920年にベルギーで発生した何の疾病の統御を発端として設立されたか?

1, 狂犬病

2, 口蹄疫

3, 高病原性鳥インフルエンザ

4, 豚コレラ

5, 牛疫

OIE設立のきっかけとなった家畜伝染病は、牛疫である。

5、OIEの主な活動に含まれないものは、どれか?

1, 動物由来の食品の安全性の確保、科学に基づき動物福祉を向上させる

2, 動物及び動物由来製品の国際貿易に関する衛生基準の策定

3, 動物疾病の制圧及び根絶に向けての技術的支援及び助言

4,  絶滅の危惧される野生動物種のレッドリスト作成

5, 世界で発生している動物疾病に関する情報提供

絶滅の危惧される野生動物種のレッドリスト作成は、国際的には1948年に設立されたInternational Union for Conservation of Nature and Natural ResourcesIUCN国際自然保護団体が行う。国内では環境省が取りまとめて公表している。

6、OIEの家禽疾病で、リストAに入っている疾病の正しい組み合わせは?

1, 家禽チフス、ひな白痢

2, 鶏痘、マレック病

3, 家禽コレラ、伝染性気管支炎

4, 結核病(鶏)、鶏クラミジア症

5, ニューカッスル病、高病原性鳥インフルエンザ

OIEのリストAに入る家禽疾病は、ニューカッスル病と高病原性鳥インフルエンザ。

7、ニューカッスル病に関する正しい記述は?

1, 病原体は腸内細菌科に属するグラム陰性菌である

2, 野鳥では50種類以上が自然感染する

3, 有効なワクチンはまだ開発されていない

4, 病原性の強弱は主にM遺伝子(マトリックス蛋白)の配列により推測可能

5, ガチョウやアヒルは非常に感受性が高い

ニューカッスル病の原因ウイルスはマイナス鎖のRNAウイルス(パラミキソウイルス科)であり、有効なワクチンが開発されている。また病原性はF蛋白のアミノ酸配列により解列のし易さから推測できる。鶏の方が感受性が高く、ガチョウやアヒルは、発病しにくい。。

8、OIETerrestrial Animal Health Codeに関する記述で間違っているものは?

1, コードの目的の一つは、国際貿易手続きを簡素化するためである

2, コードの目的の一つは、家畜を感染症から保護するためである

3, コードの適用については国際法に準じ、法的拘束力を持つ

4, OIE加盟国は、科学的根拠なしにコードを無視することはできない

5, 科学的に正当な理由なくコード以上の措置を要求するとWTOに提訴される

OIEの陸生動物衛生規範(水生動物衛生規範も同様)は、国際法的な法的拘束力は持っていない。しかし、科学的に正当な理由がなく、相手国にコード以上の措置を要求すると、相手国から国際貿易機関(WTO)に提訴されることになる。

9、家畜感染症に関するゾーニング(Zoning)という地理的区切りに含まれないものは?

1, 渓谷

2, 大河

3, 州境

4, 高速道路

5, 植生

ゾーニングの自然的区切りとして渓谷、大河、海峡などがあり、人工的地理的区切りとしてはゾーンワクチンや高速道路、法的境界の区切りとして県境、州境などがあるが、陸地の特定の場所に生息する植物集団である植生はゾーニングにはなじまない。

10、家畜感染症に関するコンパートメンタリゼーションの記述で正しいものは?

1, ゾーニングよりも広域の封じ込め措置である

2, 施設内の動物へのワクチネーションが必須である

3, サーベイランス(監視)する必要はない

4, 施設内の家畜の清浄化を確立する措置である

5, OIEで指定する全ての家畜感染症(リストA,B)に適応される

コンパートメンタリゼーションは、バイオセキュリティーなどに基づき施設内の家畜の清浄化を確立する措置である。高病原性鳥インフルエンザのように野鳥がウイルスを保有していても、個々の養鶏場が清浄状態を維持することが出来るように、ウイルスの侵入を阻止する方法である。

 

家禽疾病学、第2回講義のミニテスト回答

1、   以下の家禽の伝染病のうち家畜伝染病(法定伝染病)に分類されるのは?

1, 伝染性ファブリキウス嚢病

2, あひる肝炎

3, 鶏白血病

4, 家禽コレラ

5, 鶏痘

家禽コレラは家畜伝染病(法定伝染病)。伝染性ファブリキウス嚢病、あひる肝炎、鶏白血病、鶏痘は届出伝染病。

2、ロイコチトゾーン・カウレリーに関する記述で正しいものは?

1, ニワトリハジラミによって媒介される

2, 流行は冬季に北海道で見られる

3, 血球で増殖する子嚢菌による感染症である

4, 無性生殖をおこない、有性生殖は起こさない

5, 種特異性が強く鶏以外にはかからない

ロイコチトゾーン・カウレリーは、原虫(胞子虫)に属し、ニワトリヌカカが終宿主、流行はヌカカが活動する78月がピーク。青森以南で流行する。ニワトリの体内でガメートゴニ―を行い、ヌカカで接合し、スポロゾイドとなる。

3、鶏白血病(or ウイルス)に関する記述で正しいものは?

1, T細胞性の白血病を起こす

2, 逆転写酵素をもつレトロウイルスが原因である

3, 若齢の幼雛が特に感受性が高く、高率に発症する

4, 水平感染のみで、垂直感染は起こさない

5, 鶏白血病ウイルスはヒトにも感染する

ニワトリ白血病ウイルスはαレトロウイルスに属し、主としてニワトリでB細胞白血病を起こす。産卵鶏の成鶏で発症する例が多い。時に垂直感染を起こし、免疫寛容になった個体は、生涯、ウイルスを排出する。ヒトには感染しません。

4、わが国における最近の家禽伝染病に関する記述で正しいものは?

1, ひな白痢、家禽チフス、家禽コレラは封じ込めできているといえる

2, ニューカッスル病は依然として大きな流行を続けている

3, マレック病、伝染性気管支炎は統御された

4, あひるウイルス性腸炎はロシア経路と台湾経路で侵入した

5, 鶏におけるサルモネラ症(S.E, S.T)の届出は毎年、千例を超す

ひな白痢、家禽チフス、家禽コレラの法定伝染病は、ほぼ封じ込められている。ニューカッスル病についても、近年、大流行は見られない。しかし、マレック病と伝染性気管支炎は流行があり、統御されているとは言えない。あひるウイルス性腸炎は、まだわが国には侵入していない。サルモネラ菌は常在していると思われるが、鶏でのサルモネラ症(S.E. S.T.による発症例、流行)は届出られていない。S.Tによる野鳥(スズメ)の流行は見られた。

5、家禽の伝染病で2本鎖DNAウイルスにより起こるものでないものは

1, アヒル肝炎1型

2, 産卵率低下症候群

3, 鶏痘

4,  アヒルウイルス性腸炎

5, 鶏封入体肝炎

鶏痘(ポックスウイルス)、アヒルウイルス性腸炎(ヘルペス)、産卵率低下症候群、鶏封入体肝炎(いずれもアデノウイルス)は2本鎖DNAウイルス。アヒル肝炎1型はピコルナウイルス(1本差RNAウイルス)です。

6、鶏痘に関する記述で正しいものは?

1, ヘルペスウイルスにより起こる感染症

2, 粘液型は夏に多く、流涙や失明を起こす

3, 生ワクチンは開発されていない

4, 呼吸器感染が多く、肺炎により死亡する

5, 感染細胞内にボーリンガー小体という封入体がみられる

鶏痘ウイルスはポックスウイルスに属します。夏から秋にかけては、皮膚病変と流涙や失明を起こす皮膚型の鶏痘が起こります。有効な弱毒生ワクチンがあります(翼膜穿刺による投与)。多くは接触感染(ヌカカによる機械的伝搬、創傷など)です、感染細胞内には細胞質内封入体がみられ、ボーリンガー小体と呼ばれています。

7、鶏貧血ウイルス(CAV)病に関する記述で間違っているものは?

1, 本疾病は、サーコウイルス科(1本鎖、環状DNA)ウイルスにより起こる

2, 発症は主に介卵感染により14週齢の雛に起こる

3, 発症雛では、骨髄・免疫系が障害される

4, 骨髄の退色や黄変が特徴的にみられる

5, 胸腺は退縮するが、ファブリキウス嚢の退縮は見られない

鶏貧血ウイルス(CAV)はサーコウイルス科ジャイロウイルス属のCAVにより起こります。鶏貧血症はCAVの介卵感染により雛に起こります。骨髄での造血系が障害されるので、肉眼的には骨髄の退色、貧血の他に免疫系(T細胞系の胸腺、B細胞系のファブリキウス嚢)も機能低下、退縮を起こします。

8、鶏ウイルス性腱鞘炎・関節炎(or ウイルス)に関する記述で正しいものは?

1, ヘルペスウイルスにより起こる感染症である

2, 4~7週齢の中雛の産卵鶏に多発する

3, 特徴的な病変として腓腹筋断裂(青脚)がみられる

4, 種鶏に生ワクチンを投与し、雛に移行抗体を付与する

5, 腱鞘炎や関節炎は起こさない

鶏ウイルス性腱鞘炎・関節炎ウイルスは、鳥レオウイルスに属すRNAウイルス(ARV)です。腱鞘炎や関節炎を起こしますが、特徴的な病変として腓腹筋断裂(青脚)がみられます(他の疾病ではほとんど起こらない)。4~7週齢のブロイラーに多発します。種鶏に不活化ワクチンを投与し、雛に移行抗体を付与する方法で予防します。(昨日、勘違いしました。すみません)

9、鶏脳脊髄炎(or ウイルス)に関する記述で正しいものは?

1, 介卵感染は起こらない

2, 病理組織では錐体細胞に中心性虎斑融解がみられる

3, ウイルスは脊髄で増殖するが腸管では増殖しない

4, 予防は種鶏、産卵鶏への不活化ワクチン接種による

5, 大型のRNAウイルスであるコロナウイルスの感染症

鶏脳脊髄炎はヒトのポリオ(小児麻痺)に類似しています。腸管で増殖し神経系に入って脳脊髄炎をおこします。もっとも小型のRNAウイルスであるピコルナ(小型:ピコ、ルナ:RNA)ウイルスに属します。弱毒生ワクチンがあります。大型の錐体細胞でウイルスが増殖すると組織病理学的には中心性虎斑融解を起こします。顕微鏡で虎斑状に見えるニッスル小体(粗面小胞体:RER) が崩壊する状態を虎斑融解といい、中心性虎斑融解では核周囲の細胞質の中心部が、腫大・崩壊したニッスル小体が周辺に押しやられるため、ぬけて見えます。

10、頭部腫脹症候群に関する記述で間違っているものは?

1, 英語の疾病名はSwollen head syndromeである

2, 原因ウイルスはTRTV(Turkey rhinotracheitis virus)である

3, 後弓反張のような神経症状は見られない

4, 眼瞼周囲発赤・腫脹、頭部・下顎、肉垂の浮腫がみられる

5, ニューモウイルス科、メタニューモウイルス属のウイルスに属する

頭部腫脹症候群は、メタニューもウイルスの属するTRTVにより起こります。頭部、眼瞼の浮腫などが特徴ですが、神経系も巻き込まれ、時に後弓反張のような神経症状がみられます。英語名は、名前の由来通り、Swollen head syndromeです。

 

家禽疾病3回講義、ミニテスト回答

1、   細菌の血清型分類に使われる抗原で間違っているものは

1, 細胞壁外膜:O抗原

2, 細胞膜:M抗原

3, 線毛:F抗原

4, 鞭毛:H抗原

5, 莢膜:K抗原

クラム陰性細菌の細胞壁外膜のLPS(リポ多糖)の構成成分の一番外側の多糖がO抗原です。名前の由来は、細菌を培養した時のコロニーがぼやけない(ドイツ語の曇りのないOhne Hauchbildung)に由来します。これは鞭毛をもつ細菌のコロニーでは菌が移動するためにぼやけて(曇って)見えるため(HauchbildungH抗原の由来)に付けらものです。線毛抗原は、線毛(fimbriaF抗原)に、莢膜はドイツ語のKapsel(カプセル:K抗原)に由来します。これまで細胞膜抗原による体系的な血清型分類はありません。またO抗原は菌体抗原ともいわれました。

2、伝染性コリーザに関する記述で正しいものは?

1, 伝染性コリーザの原因菌Avibacterium paragallinarumヒトの赤血球を凝集する

2, コリーザは「感冒」を意味し、急性の消化器系の感染症である

3, 主にA型菌とC型菌の流行があり、感染率も致死率も高い

4, 伝染性コリーザには有効な生ワクチンが開発されている

5, 病原菌はパスツレラやサルモネラ、大腸菌と同類のγプロテオバクテリア綱に属する

コリーザは「感冒」、「鼻かぜ」の意味で急性の呼吸器感染症の総称です。通常感染率は高いのでが、致死率は低いです。鶏の伝染性コリーザ菌の凝集素は鶏赤血球を凝集します。ワクチンは有効な不活化ワクチン(A型菌、C型菌の2価ワクチン)が開発されています。伝染性コリーザ、家禽コレラ、家禽チフス、雛白痢、大腸菌症はいずれもプロテオバクテリア門、γプロテオバクテリア綱に属します。

、鶏結核(病)に関する記述で正しいものは?

1, 結核菌はチールニールセン(Ziehl-Neelsen)染色で紫色に染めだされる

2, 鶏結核菌は、ファーミキューテス門に分類される

3, 結核結節には、多くの好中球が浸潤する

4, 陽性例が認められると鶏群はオールアウトし焼却処分。土壌は消石灰散布

5, 殺菌処理には弱く、糞や土壌中での生存期間は比較的短い

結核菌は、アクチノバクテリア門、放線菌綱、コリネバクテリア目、ミコバクテリア科に属し、菌の表面がロウ様物質(ミコール酸など)で覆われているのでフクシンにより赤く染めだされます。結核結節は乾酪(チーズ様)変性を特徴とし、組織学的には巨細胞やリンパ球、Mφの浸潤がみられます。好中球が多く浸潤するのは膿瘍です。鶏結核菌は殺菌処理(アルコール消毒や加熱(60℃、1030分)には弱いのですが、糞や土壌(4年間生存)では長期間生存します。Franz ZiehlFriedrich Neelsenもドイツ人なので、ツウィール・ネールゼンが正確な発音かもしれませんが、チールニールセン染色、チールネルゼン染色といわれます。

4、鶏ボツリヌス症に関する記述で間違っているものは?

1, 脚、翼、頸の弛緩性麻痺を起こす

2, ブロイラー、アヒル、野鳥で集団発生する。致死率は高い(~50%)

3, ボツリヌス菌はクロストリジウム属のグラム陽性、芽胞形成、偏性嫌気性、大桿菌

4, 毒素はアセチルコリンの遊離を促進する

5, リンバーネック(limber neck、首垂れ)が特徴的な症状

ボツリヌス菌は、クラム染色陽性の芽胞形成能を持つ偏性嫌気性の大型桿菌でアセチルコリン遊離を阻害するため筋肉は弛緩性の麻痺を起こし、リンバーネック(首垂れ)のような特徴的神経症状を呈する。ブロイラー、アヒル、野鳥で集団発生する。致死率は高く、バイオテロに利用されるリスクが高いため、感染症法の病原体取扱規則では2種病原体となっている。

、鶏壊死性腸炎に関する記述で間違っているものは?

1, 鶏壊死性腸炎の進行は比較的遅く、慢性経過をとる

2, 平飼いの25週齢のブロイラーに好発。常在化する傾向がある

3, 感染鶏では茶褐色、黒褐色のタール状下痢便(腸粘膜脱落片を混入)を排出する

4,  鶏壊死性腸炎は、Clostridium perfringensのA型、C型菌の経口感染により起こる

5, 鶏壊死性腸炎の原因菌であるウェルシュ菌は鶏糞、土壌、埃、飼料、敷料に存在する

鶏壊死性腸炎はファーミキューテス(フィルミクテス)門、クロストリジウム綱、目、科、属のClostridium perfringensのA型、C型菌の経口感染により起こる。急性経過をたどり、発症後は数時間で死亡する。茶褐色、黒褐色のタール状下痢便を排出する。壊死性腸炎が発生した鶏舎はオールアウトし、水洗、消毒(土壌中の芽胞に有効な消毒としては:火炎消毒、次亜塩素酸カルシウム(さらし粉)、消石灰消毒など)を行う必要がある。

6、鶏マイコプラズマ病(or M.GM.S.)に関する記述で正しいものは?

1, 介卵感染は起こさない

2, 血清加培地で目玉焼き状のコロニーを形成する

3, 赤血球凝集能は持っていないがHI(赤血球凝集抑制)試験は可能である

4, 伝播力は肺炎型のガリセプチカムの方が高く、病原性は関節炎型のシノビエが強い

5, 鶏マイコプラズマ病の病原菌では、まだ耐性菌は出現していない

鶏マイコプラズマ病原体(M.G, M.S)は独特の形態である目玉焼き状のコロニーを形成する。赤血球凝集能を持ち、HI試験による抗体測定が可能。介卵感染も起こす。一般に、伝播力は関節炎型のシノビエの方が高く、病原性は肺炎型のガリセプチカムが強い。耐性菌が出現しており、ニューキノロン系の抗生物質が使われるようになっている。

7、鶏コクシジウム病に関する記述で正しいものは?

1, 鶏コクシジウムのアイメリア属は、鞭毛虫門に分類される

2, ガメートサイトが接合し、オーシストを形成するにはヌカカが必要である

3, 鶏コクシジウムの中で最も病原性の弱いのはアセルブリナで、小腸上部で増殖する

4, 不活化ワクチンはあるが、弱毒株生ワクチンは開発されていない

5, 鶏コクシジウムは腸管で増殖し、シストを形成するためヒトに感染する

鶏コクシジウムはアピコンプレックス(頂端複合体;胞子虫)門の原虫。腸管で増殖し、スポロゾイド、メロゾイド、シゾント、ガメートサイト(ミクロ:雄、マクロ:雌)、オーシストを形成する(鶏が終宿主)。腸管では小腸から盲腸まで種により増殖部位が異なる。国内外では弱毒株の3種から7種混合(8株混合)の生ワクチンが市販されている。鶏のみに感染し、他の鳥類やヒトには感染しない。

、ヒストモナス病に関する記述で間違っているものは?

1, 予防用のワクチンは開発されていない

2, Histomonas meleagridisは、鶏には感染するが七面鳥やウズラには感染しない

3, 肝臓では独特の病変である、同心円状(菊花状)の巣状壊死がみられる

4, 病状の末期には、肉冠が暗紫色になり「黒頭病」の病名がつけられた

5, ヒストモナスは、鶏盲腸虫(虫卵)やミミズなどを介して鶏に戻る

ヒストモナスは原虫ですがアメーバー型と鞭毛型の2型を取ることから鞭毛虫門や根足虫門でなくメタモナス門、(トリ)トリコモナス綱、目に入れられています。また、無性生殖だけなので中間宿主、終宿主という区別はなく、トリ、盲腸虫、ミミズといった複雑な生活環をとっています。黒糖病や肝の菊花状病巣など独特の病態を起こします。予防用のワクチンはありません。

9、鶏アスペルギルス症に関する記述で正しいものは?

1, 鶏アスペルギルス症の特徴の一つとしては、肺や気嚢に黄白色の結節が見える

2, アスペルギルスは真菌界の接合菌門に分類される

3, オガクズやチップなどに付いていて、低温・乾燥状態で増殖する

4, アスペルギルスはグロコット染色では染まらない

5, 呼吸器系よりも消化器系で病変が多くみられる

アスペルギルスは、子嚢菌門、ユーロチウム綱、目、マユハキタケ科、コウジカビ属に属する。主に呼吸器系を侵し、肺や気嚢で増殖して黄白色~白色の結節を形成する。時に消化器系や神経系も侵し白色下痢便や脳炎を起こさせる。敷料のオガクズやチップに付着しており、高温・多湿の環境で良く増殖する。菌は真菌染色に使われるグロコット染色で染め出される。

0、気管の閉塞や気管支炎を起こす鶏気管開嘴虫に関する記述で正しいものはどれか?

1, 子虫は盲腸で脱皮、血行性に小腸、肝臓、肺へと移行、成虫は気管支、気管に到達する

2, 産卵鶏では成鶏における致死率が高い

3, 感染経路は吸入・気道感染である

4, 気管で産生された虫卵は咳とともに排出される

5, 鶏開嘴虫は、蠕虫の分類では条虫に分類される

鶏気管開嘴虫は線虫に属する。開嘴虫の第3子虫は盲腸で脱皮し、血行性に小腸、肝、肺へ移行、成虫となって気管で交尾、排卵する。卵は食道から糞とともに排出される。感染子虫は卵の中で第3子虫まで進む。鶏は卵、子虫、あるいは待機宿主(ミミズ)の経口摂取により感染する。幼雛での致死率が高い。

 

家禽疾病4回講義、ミニテスト回答:鳥インフルエンザについて

1、   鳥インフルエンザウイルスの生態に関して間違っているものは?

1, シベリアやアラスカ地域で鴨など水禽類の腸管で増殖する

2, 極地の湖では、水禽類が呼吸器感染を繰り返し遺伝子再集合が起こる

3, これらの水禽類では病気を起こさずウイルスと共存している

4, 鴨などの南下で運ばれたウイルスは渡り鳥のルートで排出される

5, アヒル・ガチョウや鶏・七面鳥等に感染すると稀に高病原性株に変異する

シベリアやアラスカの湖に排出されたウイルスは経口感染(糞口感染)して、消化管に入り、消化管上皮細胞での増殖中に遺伝子再集合を起こすと考えられます。

2、   鳥インフルエンザウイルスの遺伝子に関する記述で正しいものは?

1, F蛋白は、糖蛋白質でウイルスのエンベロープと細胞膜を融合する蛋白質である

2, HA蛋白は赤血球凝集能をもち、細胞の受容体に結合する蛋白質である

3, NS蛋白は、RNA依存性RNA合成酵素でゲノムの複製に働く

4, M蛋白は、M1M2があり、RNAに結合しRNP複合体を構成する

5, NA蛋白は、非構造蛋白でウイルス粒子には取り込まれない

インフルエンザウイルス(オルソミキソウイルス)は、HA蛋白が受容体への結合と膜融合の機能を持っています。HAF蛋白を持つのは、パラミキソウイルスです。RNA複製酵素はPA,PB1,2です。M1は外被の裏打ち、マトリックス。M2はイオンチャンネル蛋白。

ウイルス粒子に取り込まれないのはNS蛋白、NAはノイラミニダーゼでシアル酸を切ってウイルスが細胞から出芽するのに働きます。

3、リアソートによる新型インフルエンザの産生と関連する言葉は?

1, 高病原性鳥インフルエンザウイルス

2, 点突然変異

3, 連続変異

4, ウイルスの小変異

5, 抗原シフト

抗病原性鳥インフルエンザ、抗原ドリフト、点突然変異、連続変異、ウイルス小変異、は、いずれもゲノム塩基の置換によるもの、新型インフルエンザ、抗原シフト、リアソート、不連続変異、ウイルスの大変異は、ゲノム(分節遺伝子)の再集合です。

4、鳥とヒトのインフルエンザウイルスの両方に受容体を持つ動物は?

1, ブタ

2, サル

3, ハト

4, ウマ

5, ウシ

5、低病原性鳥インフルエンザ(ウイルス)の定義に関して正しいものは?

1, 静脈内接種で鶏を高率に死亡させる。4週齢、8羽に接種、10日以内に6羽以上死亡

2, HA蛋白のアミノ酸配列によりHAの開裂が起こらない

3, 法定伝染病には含まれない

4, H5, H7亜型でHPAIでないもの

5, HA亜型に関わらず病原性のないもの

4週齢、8羽接種で10日以内に6羽以上殺すのは、高病原性鳥インフルエンザ、HAの解列は高病原性鳥インフルエンザより起きにくい(塩基性アミノ酸が多数配列しない)が、解列します。HAが解列しないと感染できません。LPAIは法定伝染病です。H5,H7以外の病原性のないものは、ただの鳥インフルエンザウイルスになります。

6、H5N1は既存の鳥インフルエンザウイルスにない特性を持ちます。間違っているのは?

1, 1997年、ブタを介さないでヒトに感染した

2, 動物園動物(トラ、ヒョウ)も感染・発症した

3, ヒトでの感染例は多くないが、致死率は高い(約60%)

4,  2005年、野鳥への感染が中国、青海湖で認められた

5, H5N1は野鳥から家禽に戻ることはなかった

2010年から2011年の秋から春にかけて、渡り鳥から家禽への感染が起こりました。

7、WHOの新型インフルエンザパンデミックに関連する定義の記述で正しいものは?

1, フェーズ1:動物の感染例が見つかっている。ヒトが感染するリスクがある

2, フェーズ2:ヒトが感染した例が出現。ヒト-ヒトへの伝播はないか、非常に稀

3, フェーズ4:ヒト-ヒト感染はあるが伝播の地域が限定的。充分ヒトに適応してない

4, フェーズ6:大きな集団で感染が認められる。ヒトからヒトへの感染はまだ地域限定的

5, フェーズ7:大陸を超えて世界中に広がる

フェーズ1では、まだヒトへの感染は報告されない。ヒト-ヒト感染がないか、非常にまれはフェーズ3、地域限定はフェーズ5、大陸を超えるパンデミックはフェーズ6.

8、日本で起こった2010年秋から2011年のHPAI流行に関する記述で正しいものは?

1, この時の流行株はH5N6であった

2, 流行のピークは12月であった

3, 野鳥150種、600羽がウイルス陽性であった

4, 動物園や公園などの飼育鳥では、コブハクチョウ、コクチョウが陽性であった

5, ナベヅル、クマタカ、オオタカ等での感染は確認できなかった

この流行はH5N1亜型。ピークは2月、1560羽、ナベツル、クマタカ、オオタカでも感染例が見つかった。

9、201011年の流行後定められた、サーベイランス方式で間違っているのは?

1, 鳥インフルエンザ発生地から10km以内を野鳥監視重点地域とする

2, 45日間以内に国内の複数箇所で感染が確認された場合は対応レベル3とする

3, サーベイランスする野鳥のカテゴリーを作り、リスク種を1から3に分ける

4, 流行の季節に合わせて糞便採取調査をする

5, 鳥類棲息状況調査対象の枠を集中させる

この時の流行では、多くの野鳥がウイルスに感染したことが明らかになったため、鳥類棲息状況調査の対象となる種の枠を広げた。

10、近年の国内外における鳥インフルエンザの流行に関する記述で間違っているものは?

1, 中国の低病原性鳥インフルエンザH7N9はヒトに感染し死者を出している

2, FAOは中国を高病原性鳥インフルエンザH5N1が定着している6か国の1つに入れた

3, 台湾では高病原性鳥インフルエンザのH5N2H5N3H5N8が流行している

4, 韓国、日本ではH5N6高病原性鳥インフルエンザが野鳥から家禽に伝播した

5, 米国では野鳥のH5N2の陽性例がみられるが、農場での発生はない

農場での発生がみられた

家禽疾病6回講義、ミニテスト

1、   Mardivirus属のうちマレック病ワクチン株、七面鳥ヘルペスウイルスはどれか?

1, Anatid alphaherpesvirus 1:アヒル、鴨など水禽類ヘルペスウイルス

2, Gallid alphaherpesvirus 2:ニワトリ野外株(強毒株):マレック病ウイルス

3, Meleagrid alphaherpesvirus 1七面鳥ヘルペスウイルス(HTV)、弱毒ワクチン株

4, Columbid alphaherpesvirus 1:ハトヘルペスウイルス

5, Spheniscid alphaherpesvirus 1:ペンギンヘルペスウイルス

2、マレック病の病変としては見られないものは?

1, 座骨神経炎

2, 光彩の退色を伴う眼病変

3, 脚麻痺

4, B細胞リンパ腫:マレック病はT細胞リンパ腫、B細胞は鶏白血病(レトロウイルス)

5, 腺胃の肥厚、粘膜の出血、糜爛

3、鶏体内でMDVの感染性ウイルス(cell free virus)が成熟するのはどこか?

1, シュワン細胞

2, 精原細胞

3, 胸腺細胞

4, 網膜神経細胞

5, 羽包上皮細胞:ここで感染性ウイルス粒子が産生され、フケとともに排出される

4、鶏リンパ球性白血病(LL)の特徴と異なるマレック病(MD)の特徴は?

1, 16週以前はない:鶏(リンパ性)白血病(LL)の特徴

2, 神経腫大がみられる:座骨神経系などに腫大が起こる

3, 筋胃・腺胃腫瘍はない:マレック病では筋胃、腺胃に腫瘍がみられる

4, 腫瘍細胞の由来がF嚢である:T細胞系なので胸腺由来

5, 皮膚・筋への細胞浸潤はない:LLの特徴で、マレック病では浸潤が起こる。

5、家禽のS. Enteritidis, S. Typhimuriumは届出感染症です。対象とならない動物は?

1, ニワトリ

2, ハト

3, アヒル

4,  シチメンショウ

5, ウズラ

6、産卵鶏にはサルモネラ不活化ワクチンを投与しますが、おとりとして接種しない率は

1, 1%:ひな白痢、家禽チフスの感染を検出するためにオトリ

2, 3%

3, 5%

4, 7%

5, 10

7、細菌性食中毒の中で発生件数が最も多い病原菌は?

1, サルモネラ属菌

2, 腸炎ビブリオ菌

3, ウェルシュ菌

4, カンピロバクター菌:ノロウイルスによる食中毒と並んで多い

(細菌性食中毒では、断然多い)。

5, 腸管出血性大腸菌

8、以下のサルモネラ菌の中で、鶏肉から最も多く分離されるサルモネラ菌は?

1, S. Infantis鶏肉の汚染はInfantisが多い。

2, S. EnteritidisEnteritidisでは、鶏卵の汚染が比較的起こりやすい

3, S. Typhimurium:家禽、家畜などが保有する、野鳥・野ネズミなども保有する。

4, S. Pullorum:ひな白痢の原因菌(法定伝染病)

5, S. Gallinarum:家禽チフスの病原菌(法定伝染病)

9、安全な農産物を生産するための管理のポイントなどを決めた適正農業規範は?

1, GCPgood clinical practice,薬の有効性、安全性を臨床的に確認する時の規範

2, GHP: good hygiene practice, 食品の調理時に適用される規範

3, GDPgood delivery practice, 食品の輸送、販売に適用される規範

4, GMPgood manufacturing practice, 医薬品の製造(食品の加工)に関する規範

5, GAP: good agricultural practice, 農場での生産に関する規範

10、「鶏舎環境の衛生管理」に関する記述で正しいものは?

1, 抗生物質の投与:細菌感染症の治療

2, 休薬飼料への切り替え:と畜場、食鳥処理場に出荷する前の処置

3, ワクチン接種:家畜、家禽の感染症予防

4, 飼料の給与停止:治療上必要な場合の処置

5, 廃棄物・廃水処理

 

家禽疾病7回講義、ミニテスト

1、   家禽の非感染性腹水症に関する記述で正しいものは?

1, 産卵鶏の成鶏に頻発する

2, 夏季に多発する

3, ウインドレス鶏舎に多い

4, アヒル用歩様、腹部膨満、肉冠の鬱血がみられる

5, 肺臓では被膜の肥厚、脂肪化、小葉中心性壊死が起こる

2、家禽の主な骨疾患に関する記述で正しいものは?

1, 捻転脚(twisted legs)は、産卵前の雌の大雛によくみられる

2, 脛骨軟骨異型性(tribial dyschondroplasia: TD)は、産卵鶏に特有

3, TDでは、脛骨の骨幹端軟骨層に舌状の未熟軟骨塊が形成される

4, 椎骨滑り症(spondylolisthesis)は、産卵鶏の雛に特有、椎骨の接合不整

5, 骨粗しょう症(osteoporosis)は、ブロイラーの雛に多発する

3、家禽の主な皮膚疾患に関する記述で正しいものは?

1, 大腸菌性蜂窩織炎は、食鳥処理場で見つかることは稀である

2, 胸部水疱(breast blister)は、皮下組織にある滑液包に水が貯留するものである

3, 趾蹠皮膚炎(footpad dermatitis)は、動物福祉の指標にはならない

4, 黄色腫症(xanthomatosis)は真の腫瘍ではないが、ブロイラーに多発する

5, 栄養性筋症(nutritional myopathy)は、セレンやビタミンEの過剰で起こ

4、家禽の尿酸塩沈着症に関する記述で正しいものは?

1, 尿酸塩沈着症(urate deposition)には、内臓型と関節型がある

2, ビタミンA過剰供与が関係する

3, カルシウムの欠乏が関係する

4, 白色のペースト状の結晶が気管支、肺にみられる

5, 腎炎型伝染性気管支炎とは関係しない

5、家禽脂肪肝出血症候群(fatty liver-hemorrhagic syndrome) に関する記述で正しいのは?

1, 削痩した鶏に多発する

2, 高濃度の不飽和脂肪酸投与、炭水化物飼料、菜種粕給与がリスクといわれている

3, 高Ca飼料、エストロジェン不足、コリン過剰が原因ともいわれている

4,  脾臓が黄色、腫大、脆弱となり内部に斑状の出血や血種がみられる

5, 肺臓の水腫により呼吸困難で死亡する

6、各種ビタミンの欠乏で起こる疾病で間違っているものは

1, A欠乏の産卵鶏では、上皮組織の異常・痛風・瞬膜の角化などがみられる

2, Dの欠乏ではクル病(rickets)が起こる。雛では脊柱の湾曲や嘴はゴム状に軟化する

3, E欠乏では、ヒナで脳軟化症、筋委縮症、溶血、小脳や大脳の出血がみられる

4, Kは血液凝固に必要。K欠乏は成鶏では見られないが、雛で出血や凝血障害が起こる

5, 鶏ではビタミンC欠乏やビタミンB12の不足がしばしば起こり、養鶏上の問題となる

7、ビタミンB1 or B2欠乏で起こる疾病に関する記述で正しいものは?

1, ビタミンB1はチアゾールとピリミジンから構成されるのでレチノールの別名を持つ

2,  ビタミンB1は脂溶性のビタミンであるのでカイロミクロンと結合して取り込まれる

3, ビタミンB1の不足により食欲減退、消化器障害、衰弱、および多発性神経炎が起こる

4, ビタミンB2はリボースとアロキサジンから構成され、トコフェロールと呼ばれる

5, ビタミンB2の欠乏はブロイラーでみられ、痙攣、首を背の上に曲げる姿勢をとる

8、ミネラル欠乏による主な疾患に関する記述で正しいものは?

1, リン欠乏ではCaP、ビタミンDのバランスが崩れ雛では脳軟化症が起こる

2, カルシウムの不足では、筋の弛緩、骨密度の上昇、軟部組織の石灰化が起こる。

3, マンガンの欠乏では、Perosis:腱が外れるという、独特の脚弱が起こる

4, 大雛及び産卵鶏に特異的に起こるペローシスでは、痙攣と神経麻痺を起こす

5, 軽度のカルシウムの欠乏でも循環障害を誘発し、全身性浮腫と骨化石症が誘発される

9、真菌が産生するマイコトキシンに関する記述で正しいものは?

1, 1960年英国で10万羽以上の七面鳥が中毒死したのはオクラトキシン中毒による

2, A. ochraceusは、高温でしか増殖しないので熱帯の中毒症の病原体として有名

3, アフラトキシンの構造式はイソクマリンにフェニルアラニンが結合したものである

4, P2トキシンはフザリウム属の真菌が産生するトリコテセン環を持つ毒素である

5, 汚染予防は飼料の厳密な検査、毒素吸着材の使用、汚染飼料を種鶏に使用しないなど

10、ボツリヌス菌(毒素)に関する記述で正しいものは?

1, ボツリヌス菌はクロストリジウム属の菌でありグラム染色は陰性である

2, ボツリヌス菌の産生する毒素は病原体等の管理規制では4種に分類される

3, ボツリヌス菌は土壌菌であるが、芽胞形成能を欠いている

4, ボツリヌス菌が産生する毒素は神経毒で麻痺性中毒を起こす

5, ボツリヌス菌は偏性好気性菌であるので通常の好気性培養法で増殖する

 

今日(期末)のテストについての質問です。ビタミンB12は魚粉に含まれているから、家禽では不足しないとスライドにありましたが、テストでは細菌叢が合成することで不足が起こらない、となっていました。これは、家禽体内の微生物がビタミンB12を合成していると考えていいのでしょうか?その場合、魚粉などの飼料にビタミンB12を含む必要はなくなると思うのですが、基本的に魚粉にはビタミンB12が入っているように調べたなかでは感じました。92問の1~4は間違いですが、5、の選択肢に、「家禽ではビタミンCは合成でき、B12は細菌叢が合成し不足は起こらない」とした、設問への疑問です。調べてみました。ビタミンB12は、コバルトを核とするポルフィリン環とプリン体の結合物で、基本的には真正細菌と古細菌が産生します。主には、プロピオニバクテリウム属の細菌(グラム陽性、嫌気性、放線菌門に分類される桿状の細菌)が産生します。植物はビタミンB12が合成できません。動物の肉、ウシレバー、二枚貝などには豊富にあるようです。しかし稚魚の養殖に酵母を用いた時、B12欠乏で神経異常が発生して問題となりました。魚粉に多いのは、腸内細菌よりも食物連鎖で(海藻?ノリ、ノリと共生細菌の摂食)、また反芻動物は第一胃の細菌叢(プロピオ二バクテリアを含む)から得るようです。ちなみに、「ビタミンB12 は、多細胞または単細胞の真核生物によっては産生されない。(真核細胞になった時:動物の祖先でいうなら立襟鞭毛虫になった時?ビタミンB12合成酵素が欠損したか、真核細胞ができるときにB12合成酵素を持たない細菌・古細菌同士が一次共生した?)ヒトや他の動物のいくつかの腸内細菌によって合成されるが、ビタミンB12が吸収される小腸からさらに遠位の大腸でビタミンB12が産生されているので、ヒトは大腸で作られたビタミンB12を吸収することができない」とあります。鳥類も同じであれば、小腸の細菌叢でなく、大腸から糞中にでた細菌を食べることで補充できるかもしれません(糞食行動)。しかし、多くは餌(魚粉他)から得ていると思われます。後学のため、問題を修正して掲示しました。

 期末試験の回答です。92番は学生さんの質問にあったように、スライドの説明が正しいと思います。後学のために質問の文章はなおしました。元の設問だと正答がないことになるので、92番は全員正解とします(7回目のミニテストの類似問題については、問題ありません)。

 

 2020年2月15日の再評価試験の問題と回答です。自分でチェックしてみてください。

学生さんからの指摘がありました。解答ミスがありました。13番のまちがっているのは?

4は正解です。ファブリキウス嚢は総排泄口の背側にあるリン場組織でB細胞の分化を起こす液性免疫中枢です。B細胞はBursa Fabriciusの頭文字にちなんでいます。間違っているのは、3です。血清型はタイプ1とタイプ2の2型に分けられ、タイプ1は鶏由来であり鶏に対して病原性をもつが、タイプ2は七面鳥から多く分離される病原性のきわめて弱いウイルスである。指摘ありがとうございました。

 間違いがありました。43番の答えはオーシストを作る鶏が終宿主です。そのつもりで出しましたが、模範回答がヌカカになっていました。失礼しました。

妻と作った人形。

娘の修学旅行の写真をもとにしました。

妻と作った人形。

娘の修学旅行の写真をもとにしました。

オリジナルの写真です

 

娘のドイツ時代のカーニバルの写真です。大家さんは子ネズミちゃん「モイスヒェン」といっていました。

下の人形は妻の作品です。

先日、妻の作品が創刊700号記念家庭画報大賞の佳作に入りました。

題「何して遊ぼう」です。

 

妻が、稽古に通い、粘土で作った作品です。昨年、東京フォーラムで、他の生徒さんと一緒に展示されました、「仙人草」

(水やり不要です)。

妻の人形作品です。

ドイツ時代の香代の幼稚園の友達です

ある夏のスナップです。妻の父母、娘、甥たちの集合写真から作りました。