山内一也先生から予防衛生協会のHPに書いたサル痘の記事が送られてきました。人獣共通感染症の講義の5回目は齧歯類ですが、サル痘の自然宿主が齧歯類なので第5回の2にサル痘が入っています。しかし、先生の記事を読むと僕のスライドの内容が古くなっていることが分かりました。ジョージアやアラスカの新しい齧歯類由来のポックスウイルスは知りませんでした。いい機会なので今回のアウトブレイクも含めて少し調べてみました。まだ流行がはじまったばかりで、どのような流行になるか気になります。COVID₋19の時には、ここまで長引くとは思っていませんでした。講演のたびに流行に合わせて内容が変わっていきました。人獣共通感染症の講義9回は「種を超えやすいウイルスの特性を検討する」でしたが、たしか1番手がコロナ、2番手がポックスとレオ、その後は-鎖RNAウイルス群といった順だったような気がします。]
人獣共通感染症5回の2齧歯類(サル痘を含む)https://youtu.be/HhNvf0yfidQ
山内先生から訂正の指摘がありました。勉強不足でした。
「2013 年、グルジアのカヘティ(Kakheti)地方の牛飼い 2 名の皮膚病変から新規のオルソポックスウイルスが検出された。このウイルスはアクメタ(Akhmeta)ウイルスと命名された。その後、これらの症例を調査したところ、この地域の小型哺乳類がオルソポックスウイルスに感染している血清学的証拠が示された。小型哺乳類が 自然界におけるこれらのウイルスの維持に関与していることが示唆された。2015 年 10 月、ジョージア州にお けるオルソポックスウイルスの自然史を評価する縦断的研究を開始した。」
グルジアとジョージアは同じ国です。
グルジアはソ連邦のひとつで、1991年にジョージア国として独立しました。しかし、日本を初め多くの国ではロシア語のグルジア表記を使っていて、ジョージアからは改正するよう要求されていました。2008年、内戦でロシア軍が侵攻してアブハジア共和国が独立し、ロシアだけが承認したため、多くの国ではジョージアに変え、日本は遅れて2015年にやっと改正したのです。キエフとキーウと同じ背景があります。なお、アブハジア共和国の首都スフミに世界最古の霊長類センターがあります。私は50年前に行ったことがあります。
山内一也 先生指摘ありがとうございました。分かりました。