「ジカ熱」、「ジカウイルス感染症」
ほとんど毎年のように世界を震撼させる感染症の流行が報道されています。21世紀に入ってからでも、SARS(重症急性呼吸器症候群)、SARSに近縁のコロナウイルスによる中東呼吸器症候群(MERS)、20世紀末から流行の亜型が増加している鳥インフルエンザ(H5N1, H7N9)、および豚インフルエンザの遺伝子再集合(リアソート)株であるパンデミックインフレンザH1N1の世界的流行、西アフリカのエボラ出血熱などがあげられます。
日本が巻き込まれた感染症としてもBSE-vCJD(牛海綿状脳症‐変異型クロイツフェルトヤコブ病)、パンデミックインフルエンザ、重症熱性血小板減少症候群(SFTS)、デング熱などがあります。2016年に入って、「ジカ熱」という耳慣れないウイルス感染症が話題となっています。今回は、この流行病について考えてみたいと思います。
「ジカ熱」という流行病はこれまでほとんど聞いたことがない感染症です。しかし、最近になって米国疾病予防管理センター(CDC)や世界保健機関(WHO)が警告を出す事態となっています。2016年1月末にWHOが、このウイルス病が「爆発的に広がっている」と発表しました。そしてブラジルで急増している新生児における先天性の神経系の発達不全が、妊娠中に母親がジカウイルスの感染を受けたことが原因であることが明らかにされ始め、国際的に問題となっています。日本政府は2016 年2月5日の閣議でジカ熱を感染症法の第4類感染症に指定しました(2月15日施行)。また、検疫法の検疫感染症にも指定しました。
*現在検疫感染症に指定されているものは、1類のエボラ出血熱、マールブルグ病、クリミア・コンゴ出血熱、ラッサ熱、南米出血熱、痘瘡、ペスト、2類の鳥インフルエンザ(H5N1とH7N9)、中東呼吸器症候群、4類のデング熱、チクングニア熱、ジカウイルス感染症、マラリアです。
http://naumesnd.com/2016/04/07/zika-pregnancy/
ジカ熱の由来と拡散
「ジカ熱」の原因となるウイルスはジカウイルスで、その歴史は古く1947年、アフリカのウガンダで初めて分離されています。70年以上も前のことで、エボラウイルスやマールブルグウイルスの流行よりもずっと古い出来事です。アフリカ、ビクトリア湖の西岸に近い「ジカの森:Zika forest」で、ロックフェラー財団の科学者たちが黄熱病の研究をしていた時、たまたまこのウイルスが分離されました。
研究者は黄熱ウイルス分離のために、アジア産マカク属のアカゲザルを囮(おとり)として樹上に置き、蚊に吸血させていました。このとき、アカゲザルから分離されたウイルスは目的とした黄熱ウイルスではなく、新しいウイルスで「ジカ」と名付けられました。その後、このウイルスは同じ森に生息するヤブカから分離され、蚊がベクターとしてサルからサルにウイルスを伝播していると考えられました。黄熱やデング熱と同様に、森の中でサル類と蚊の間で循環しているウイルスと思われました。ジカウイルスはフラビウイルス科で、黄熱やデング熱、西ナイル熱、日本脳炎ウイルスと同じグループです。
ヒトからは1960年にナイジェリアで行われた研究の中で分離されました。感染症としての「ジカ熱」は、2007年にミクロネシア連邦のヤップ島で流行しました。2013年にはフランス領ポリネシアで約1万人の感染が報告され、2014年にはチリのイースター島、2015年にはブラジルおよびコロンビアを含む南アメリカ大陸での流行が発生しました。ジカ熱は、このように、アフリカ、太平洋上の島々、そして南米へと流行域を広げてきました。
地方病的であったジカ熱がどうして流行を拡大するのかは不明です。ヒトやモノの交流が盛んになったグローバル化と、インフラの整わない新興都市への人口の集中、暴露の経験のない処女地域への伝播が、大流行となる原因と考えられています。しかし、こうしたシナリオはジカ熱に限らず、デング熱や黄熱、チクングニア熱などでも指摘されています。
WHOによると、2015年以降2016年第2週までに、中央および南アメリカ大陸、カリブ海地域では20の国や地域(バルバドス、ボリビア、ブラジル、コロンビア、エクアドル、エルサルバドル、フランス領ギアナ、グアドループ、グアテマラ、ガイアナ、ハイチ、ホンジュラス、マルティニーク、メキシコ、パナマ、パラグアイ、プエルトリコ、セント・マーティン島、スリナム、ベネズエラ)から症例が報告されています。
日本への最初の輸入症例はフランス領ポリネシアで感染した症例でした。また、2016年8月までに50カ国以上の国で、国内ジカ熱の感染が報告されています。これまでの疫学調査から、ジカウイルスの感染力(基本再生産数:アールノートR0)は1.4~6.6と報告されています。 南米での流行ではR0=4.4(3.0~6.2)、ミクロネシア連邦のヤップ島の流行では、R0=4.3~5.8、フランス領ポリネシアの流行では、R0=1.8~2.0という報告があります。なおデング熱の場合はR0=3.0という報告があります。
https://www.theodysseyonline.com/zika-virus-411
ジカウイルスとスポンドウェニウイルス
ジカウイルスは、フラビウイルス科、フラビウイルス属に分類されます。デング熱、黄熱、日本脳炎、西ナイル熱のウイルス群と近縁です。最も近いウイルスはSpondweni virusでジカウイルスとスポンドウェニウイルスの2種類だけがSpondweni virusクレードに分類されています。ジカウイルスはエンベロープを持つ正二十面体構造で、分節していない一本鎖のプラス鎖RNAウイルスで、ゲノムサイズは10キロベースあります。
プラス鎖RNAウイルスなので、ゲノムは直接翻訳され、ウイルス蛋白が合成されます。ゲノムは7つの非構造蛋白と3種類の構造蛋白をコードしています。12キロダルトンのカプシド蛋白とゲノムはヌクレオカプシドを構成します。ヌクレオカプシドは被膜(エンべロープ)で覆われ、エンベロープには2種類の糖蛋白が存在します。複製時にプラス鎖からマイナス鎖が合成され、二重鎖になり、メッセンジャーRNAとゲノム(+鎖)が合成されます。
ジカウイルスにはアフリカ系統とアジア系統があります。ゲノムの系統樹から見るとアメリカで広がっているウイルスはアフリカ系統のウイルスゲノムと89%一致していますが、2013~2014年にフランス領ポリネシアで流行したアジア系統のウイルスゲノムにもっとも近い関係にあります。
スポンドウェニウイルス(SPOV)は、フラビウイルス科、フラビウイルス属に属するアルボウイルス(節足動物媒介ウイルス)で、蚊によって伝播されます。発熱、悪寒、吐き気、頭痛、倦怠感や鼻血を特徴とするスポンドウェニ熱を起こします。スポンドウェニウイルスは、サハラ以南のアフリカとパプアニューギニアで発見されています。
http://www.livescience.com/53950-zika-virus-may-infect-kill-neural-stem-cells.html
ジカウイルスを運ぶ蚊は?
蚊が媒介する動物由来感染症は寄生虫の犬フィラリア、原虫のサル三日熱マラリアを除くと、すべてウイルス感染症です。特にジカ熱の属するフラビウイルス科の種類が最も多く、ジカ熱、黄熱、西ナイル熱、日本脳炎、セントルイス脳炎、デング熱、マレーバレー熱などがあります。トガウイルス科がそれに次ぎ、チクングニア熱、西部馬脳炎、東部馬脳炎、ベネズエラ馬脳炎などがあります。その他に蚊が媒介するウイルス病にはリフトバレー熱、ラクロス脳炎、シンドビスウイルス熱などがあります。
ジカウイルスの伝播はヤブカ属の蚊によってなされます。熱帯地域では、主にネッタイシマカ(Aedes aegypti)を介して行われます。また、Aedes(A.) africanus, A. apicoargenteus, A. luteocephalus, ヒトスジシマカ(A. Albopictus), A. vittatus, A. furciferからもウイルスが分離されています。 2007年のミクロネシア連邦ヤップ島の流行ではA. hensilliがベクターでしたが、2013年のフランス領ポリネシアの流行ではポリネシアヤブカ A. polynesiensisが媒介しました。
http://www.nbcnews.com/storyline/zika-virus-outbreak/aedes-aegypti-meet-mosquito-spreading-zika-virus-panic-n504026
ヒトからヒトへのジカウイルスの伝播
ジカウイルスの伝播は、基本的にはヒト‐蚊-ヒトですが、人から人への感染もみられています。ジカウイルスは、感染した男性から性交によりパートナーに伝播します。感染2週間後の精液サンプルのウイルス量が血液や尿よりも10万倍も高かった例が、1例報告されています。なぜ精液でのウイルス量が高かかったのか?どのくらい持続するのかは、不明です。
ジカウイルスに感染したが無症状のままで、ウイルスをパートナーに伝播させた男性の例が複数例報告されています。ジカ熱に感染した男性がパートナーを受胎をさせようとする場合、少なくとも6ヶ月間待つ必要があると米国疾病予防管理センター(CDC)は勧告しています。他方、現在まで女性から性交によってパートナーにウイルスが伝播されたという報告はありません。オーラル、アナル、膣性交は病気を広める可能性があります。
周産期の垂直感染例が報告されています。また、ジカ熱に感染した女性は、症状が現れたあと少なくとも8週間は妊娠することを待つべきであるとCDCは勧告しています。授乳によりウイルスが伝播したという報告はありませんが、母乳からはウイルスが見つかっています。
他のフラビウイルスのように、輸血によってウイルスが伝播することがあります。ウイルスが侵入した国のいくつかでは、血液ドナーをスクリーニングするための戦略を開発しました。米国の食品医薬品局(FDA)はジカウイルスに関する血液製剤の普遍的なスクリーニングを推奨しています。ジカウイルスはフランス領ポリネシアでの無症状の血液ドナーの3%に検出されたという報告があります。
http://naturallysavvy.com/care/zika-virus-sexual-transmission-alert-cdc-confirmed
ジカ熱の臨床症状
ジカ熱の潜伏期間は3~12日です。不顕性感染率は約80%と言われています。ジカウイルスの感染では、頭痛、発熱、発疹、目の充血、疲労感、筋肉・関節痛といった症状が起こりますが、たいていは軽症ですみます。しかし、2013年に起こったフランス領ポリネシアでの流行の際には、42人が自己免疫疾患であるギランバレー症候群を発症しました(1万人感染で42人がギランバレーを発症したとすれば、発症率は0.42%です)。これが、ジカウイルス感染により重症化しうる最初の例でした。
ギランバレー症候群は末梢神経系に対して自分の免疫細胞が攻撃することにより起こります。近年、カンピロバクター感染症の後に起こることが知られており、この場合はカンピロバクター(細菌)の表面の糖鎖抗原と末梢神経の糖脂質抗原の分子構造が類似しているために、細菌に反応する免疫細胞が自分の末梢神経にも反応してしまうのではないかと考えられています(カンピロバクター感染後にギランバレーを発症する確率は0.1%と言われています)。また、ウイルスなどで神経系が一部破壊されると神経系の髄鞘や蛋白質が抗原となり、自己免疫病を引き起こすことが知られている。ギランバレーを誘発することは、ジカウイルスが神経細胞にある種の親和性を持っていて、障害を起こし得ることを示しているのかもしれません。
http://balance.hcr-manorcare.com/blog-posts/the-zika-virus-qa/
ジカウイルスと小頭症
2015年4月にブラジル北東部で、多数の患者がジカウイルスに感染していると診断されました。ジカウイルスが南米本土で確認されたのは、この時が初めてで、膨大な人口が感染する可能性が出てきました。10月には、頭が生まれつき小さく、脳の発達不全につながる小頭症の新生児が、ブラジル北東部で急増しました。小頭症児の母親のうち、少なくとも2人の羊水からジカウイルス感染の証拠が見つかり、母親に感染したウイルスが胎盤を経由して胎児に行く可能性が示され、ジカ熱と小頭症との関連が示唆されました。その後、胎児が小頭症と確認された妊婦の羊水からジカウイルスRNAが検出され、また小頭症で死亡した新生児の脳の病理組織からもウイルスが検出された。
2016年5月、妊娠初期(13週目まで)のジカウイルスへの感染で、新生児の小頭症リスクが最大13%となることが分かったとする研究論文が発表されました。2013年から2014年にかけてジカ熱が流行した仏領ポリネシアと、2015年以降にジカ熱流行がみられたブラジル・バイーア州の感染データを新生児の小頭症診断数と照合してリスクを算出しました。 CDCとハーバード大学の研究者らは、「小頭症リスクと妊娠初期(13週まで)における感染リスクとの間には強い関連性」がみられるとしています。一方で、「妊娠中期および後期ではその関連性は非常に低い」と記載しています。論文よると、妊娠初期のジカウイルス感染における小頭症リスクは、0.88%~13.2%だったということです。ブラジルでは、昨年のジカ熱流行以降、1271人の新生児に頭部と脳に先天性の障害が確認されています。
http://tracksify.com/wp-content/uploads/2016/02/Zika-virus-causes-symptoms-in-kids.jpg
ジカウイルスと神経系細胞
2016年3月に米国から興味ある実験が報告されました。米国ジョンズ・ホプキンス大学などの研究チームが、ジカウイルスが神経細胞のもとになる細胞(神経前駆細胞)を攻撃して破壊することを、突き止めたというものです。論文は専門誌のセル・ステムセルに発表されました。研究チームはヒトのiPS細胞から分化誘導し、神経前駆細胞を作製しました。神経前駆細胞にジカウイルスを感染させると、3日間で65~90%の細胞が感染しました。未分化のiPS細胞や分化した神経細胞ではウイルスの増殖は悪く、約20%以下でした。感染した細胞は死滅したり、増殖しにくくなりました。研究チームは「この実験法で、胎児の脳ができる時にウイルスが与える影響の仕組みを解明したり、治療薬を探したりできる」と述べています。
http://www.cell.com/cell-stem-cell/abstract/S1934-5909(16)00106-5
ジカ熱:ワクチン開発
小頭症の発症機構の解明と、ワクチン開発のための動物モデルの開発が求められた。アカゲザルが感受性を持っていること、デング熱のような抗原性の著しく異なる血清型がないことからワクチン開発は比較的容易と考えられた。米国ハーバード大学や米陸軍感染症医学研究所(USAMRIID)などのグループが、ジカ熱ウイルスの「不活化ワクチン」、ウイルス遺伝子の一部を用いる「DNAワクチン」、ウイルス遺伝子を別のウイルスに組み込んだ「組換えワクチン」を開発し、アカゲザルに投与した。ワクチン投与後数週間で抗体が上昇したので、シカウイルスを攻撃接種したところウイルスの増殖は起こらなった。ヒトに近縁のサルで、感染を予防することができた。他にも米国国立衛生研究所(NIH)が独自にワクチン開発を進めている。ジカの森で最初のウイルス分離に利用されたサル類が、ワクチン開発の感染モデルとして利用された例である。
ディジャビュ(既視感):ジカ熱とアカバネ病
ジカ熱のウイルス発見の経緯とアウトブレイク、ベクター媒介(媒介昆虫)、新生児の脳発達不全の特徴をみていて、ディジャビュ(既視感)を覚えました。それは家畜のアカバネ病(Akabane disease)です。アカバネ病の原因となるウイルスはアカバネウイルス(ブニヤウイルス科アカバネウイルス:Akabane virus)です。
歴史:アカバネウイルスは、昭和34年(1959年)、群馬県赤羽村(現在の館林市郊外) の畜舎で採取されたキンイロヤブカから世界で最初に分離されたウイルスです。赤羽村は群馬県の南東部、邑楽郡に属していた村です。このウイルスは分離された村の名前をとってアカバネウイルスと呼ばれることになりました。
当時、予防衛生研究所(現在の感染研)の研究者が、日本脳炎等のウイルスサーベイで網羅的にアルボウイルス(節足動物媒介ウイルス)を調査していました。蚊から分離されたウイルスは乳飲みマウスを発症させ、細胞培養で細胞変性効果を示しました。補体結合反応や赤血球凝集阻止反応などで分類を試みましたが、既存のアルボウイルス群(A,B,C群)のいずれとも反応せず、全く新しいウイルスであることが明らかにされました。しかし、どのような病気と関連するかはその時点では不明でした。(1959年から60年にかけて、全国で約4,000頭の牛の異常産があり、原因が調査されましたが不明でした。後に、保存血清からアカバネウイルスの関与が示唆されています)。
アカバネウイルスの大流行は、それから13年後の1972年から75年にかけて起こりました。この時の流行は九州から始まり、約42,000頭の牛が異常産を起こし、当時の金額で50億円の被害が出たといわれています。また,1985~1986 年には東北地方を中心に、7,000 頭にのぼる牛の異常産が発生し、1998~1999年の流行時には、初めて北海道でアカバネ病の発生が認められました。
症状:アカバネ病は、ウシ、ヒツジ、ヤギなどにおける感染症で、家畜伝染病予防法における届出伝染病です。日本では主にウシヌカカ(Culicoides oxystoma)によって媒介され、ウシでは感染母牛は不顕性感染ですが、胎子に垂直感染を起こし、大脳欠損症および内水頭症を引き起こします。具体的には、妊娠中の母胎が初感染した場合、ウイルスは胎盤を通じて胎子に感染します。特に神経系を侵すことで、四肢の関節彎曲や脊柱彎曲などの体形異常や、水無脳症(大脳欠損症)などの中枢神経異常を伴う先天的な奇形がみられ、種々の障害を引き起こします。発症した子牛は視力を失うこともあり、また授乳、歩行、群行動の学習などにも支障をきたします。
疫学:アカバネウイルスは、当初キンイロヤブカ(Aedes vexans)、コガタアカイエカ(Culex tritaeniorhynchus)から分離されましたが、その後、日本ではウシヌカカ(Culicoides oxystoma)が主要なベクターであることがわかりました。オーストラリアではオーストラリアヌカカ(C. brevitarsis)、中東ではC. imicola がアカバネウイルスを媒介します。最近ではアフリカのケニアで、ある種の蚊からこのウイルスが分離されています。アカバネウイルスによる動物の感染症はオーストラリアで多く認められ、伝播経路はオーストラリアヌカカによる吸血、この疾病の拡大の原因です。日本では九州以北では、夏から秋にかけてウイルスの伝播が起こり、冬期に終息します。分離ウイルスの遺伝子解析から、複数の遺伝型が日本に入れ替わりに侵入し、一過性の流行を繰り返していると考えられています。
病変:胎齢初期の感染では、非化膿性脳脊髄炎と多発性筋炎がみられ、その程度が重篤な場合は、胎子が死亡し、流産、死産あるいはミイラ変性を起こします。胎子が死亡しない場合、水頭症、無脳症や神経組織間の空隙の形成、脊髄腹角の神経細胞の減少など二次的な病変が生じます。中枢神経の損傷や多発性筋炎が原因となり、関節彎曲症が起こります。また、生後感染により子牛で神経症状を呈した場合には、非化膿性脳脊髄炎が認められます。
予防:市販されている生ワクチン、もしくは不活化ワクチンをベクターの活動が活発になる夏前に母親に接種する。殺虫剤や忌避剤等を用いたベクター対策は、予防効果が完全とはいえません。
http://nichiju.lin.gr.jp/mag/06811/a4.pdf
Jap. J. M. Sc. & Biol., 14, 101-108, 1961 AKABANE, A NEW ARBOR VIRUS ISOLATED IN JAPAN. AKIRA OYA, TAKESHI OKUNO, TAKAYUKI OGATA, ICHIRO KOBAYASHI AND TATSUO MATSUYAMA
http://e.jimdo.com/app/s876eea291f1ad680/p917235d1a9cfffb5?cmsEdit=1